kimono awawaの衣服は、熟練の職人たちの手仕事、厳選された素材、そして持続可能な生産プロセスが込められています。製造の背後にある環境とプロセスに焦点を当て、生産者の技術や思いを物語として伝えることで、私たちの製品がどのようにして生まれるのか、そしてそれが持つ深い意味についてご紹介します。
工房と地域の紹介
私たちの衣服は、徳島県の工房で縫製、染色までを熟練の職人の手で一枚一枚丁寧に作られています。この工房は、地元の文化や歴史に根差した地域に位置しており、それが製品にも反映されています。地域の伝統や自然からインスピレーションを受けています。
縫製職人の拘りと技術
TRADシリーズに使用されている生地の独特な柄を最大限に活かすため、型紙を引く工程では工夫が凝らされています。背中の切り替え部分(ヨーク)をなくし、柄を背中全体に広げることで、柄の美しさを引き立たせています。また、生地巾は洋服に使用する生地と浴衣や着物用の生地との違いがあり、独特の生地巾に合わせて型紙を調整し、アーム部分は糸の番手を変えるなどして生地の特性を最大限に活かしたシャツに仕立てています。
縫製工程では、ボタンはすべて1つ1つ手縫いで根巻きされ、開閉も心地よくしています。また、高級シャツに用いられる巻伏せ縫いという技術を採用しており、縫い目がペラペラしないため、見た目にも肌触りにも優しい特長があります。
糸の素材選びでは、ポリエステルや綿などの素材を比較検討しました。特にポリエステルは高級感があり、毛羽も少なく美しい縫製を実現しました。シャツのサイドはカン止めで、耐久性をもたせています。柄の出方については、縫い代の関係で柄の良いところが隠れてしまう可能性があったため、柄を隠さずに見せる工夫をしています。
このように、一つ一つ柄ごとにオーダーメイドされた洋服のような仕上がりになっています。
染師の藍染への情熱と工夫
藍染の染色において独自の技術と情熱を持って取り組んでいます。例えばSHORT SLEEVE SHIRTに使われているボタンは、藍染めボタンです。試作段階では、ポリエステルや貝など色々なものを染師が挑戦して比較検討して、藍の濃さが魅力的なココナッツボタンを選択しました。
ボタンの藍染め作業は、ボタンが重ならないようにザルに入れ、優しく振るっていきます。この作業には付きっきりでなければならず、「そうしないとボタン同士がくっついてしまう」ため、丁寧に染め上げています。染師が手作業で何日もかけておこなう染め作業は、大量生産ではできない藍の濃さも魅力のひとつです。
藍染めの職人たちが特別に試行錯誤してくれた色の濃さは、私たちの商品に特別な価値を与えています。
製造プロセスの詳細
製造プロセスは、素材の選定から始まります。TRADシリーズは、京都室町で創業280年を超える帯匠 誉田屋源兵衛の着物生地を使用しています。品質だけでなく、環境への影響も考慮しながら最適な素材を選び出します。精密な裁断が行われ、その後、熟練の技術で縫製されます。仕上げには、細部にわたる職人のこだわりが光ります。例えば、襟の開き具合やボタンの取り付け位置に至るまで、細かな調整が行われるのです。
ブランドと工房の協働
kimono awawaと工房との間には、密接な連携があります。共に価値ある製品を生み出すために、デザインの段階から密にコミュニケーションを取りながら、最高の製品を目指しています。この協働関係が、kimono awawaの衣服を特別なものにしているのです。
工房では、職人たちが一枚一枚のシャツに込める思いを感じることができます。特に、3月の工房は藍の香りが澄んでいて、少し肌寒い中でも職人たちの熱意が伝わってきます。工房の大谷焼の甕や、藍染めの特徴的な工程を間近で見学することで、製品への理解が深まります。
私たちの衣服は、職人たちの技術や思いが織りなす物語の集大成です。生産者の方々の情熱と努力が、私たちの製品に息づいています。これからも、彼らの技術と情熱を大切にしながら、より良い製品を提供していきたいと考えています。